Euviccです。ちょっとご無沙汰でした。
今さらか?って話がないでもないですが「そろそろいいかな」と手を出してみたのが運の尽き、あっという間に既刊すべてを読み終えてしまいました。4月からアニメ放送もスタートしたKADOKAWA電撃文庫……つまりライトノベルの『86 -エイティシックス-』です。
いや〜久々にこういうのにハマりました。第1巻作者あとがきに曰く
戦闘メカにボーイミーツガールにディストピアにその他諸々、色々ぎゅぎゅっと
詰め込んだ、いうなれば異世界の近代または近未来戦争SF小説とでもいうべきでしょうか。社会/政治的には第一次世界大戦後から第二次世界大戦までのヨーロッパ諸国に似てて、その一方でテクノロジーは現代およびそれよりちょっと(いや結構?)先という異世界。人々は肌の色だけでなく髪や瞳の色によっても種族として分けられ、物語の舞台であるサンマグノリア共和国民の大半を占める
隣国ギアーデ帝国の完全自律無人戦闘機械〈レギオン〉に、立ち向かうサンマグノリア共和国軍は自国で開発した無人戦闘機械"ジャガーノート"で絶望的な抵抗を続けているが、無人ゆえに
ジャガーノートは無人でもなんでもなかった。人種差別政策によって「人」であることを否定され、85に区分された共和国の行政エリアの外に隔離された
戦時中の人種差別政策といえば、現実世界の歴史で最初に思い浮かぶのはナチス・ドイツによるユダヤ人迫害。加えて「敵性国民」を隔離しそれのみで構成された部隊といえば、やはり第二次大戦/大東亜戦争(太平洋戦争)中のこのあたりでしょうか。
そもそもの世界設定が欧州っぽい(といってもなんとなく似てるかな?程度)ので、登場する国家/地域にもなんとなくそんなニュアンスがあるように思えます。たとえばサンマグノリア共和国は革命で共和制になってからのフランス? 東の隣国ギアーデはやはり帝政ドイツ、または(2巻以降の話ですが)その後のヴァイマル共和国か、第二次対戦後分断されたドイツの西半分かな? さらに巻を進めると出てくるロア=グレキア連合王国は、その名前から想像できるイギリスより人名や気候から考えると帝政ロシアの方が近いような? そのあたりは厳密に考える必要もなくて架空世界の味付けとして楽しめば良いかな、と。
メカの描写もなかなかステキです。メカデザやキャラデザがしっかり入っていて情景の脳内描写を助ける(その代わりイメージの固定によって読者の自由な想像を妨げる)のがライトノベルの定義のひとつらしいですが、メカニックデザイン担当のI-Ⅳ氏による主人公シンたちの乗機"ジャガーノート"がこれまたカッコいい。パラメータを機動力に全振り、装甲や居住性の考慮がほぼ皆無な上に武装も貧弱(57mm滑腔砲)という棺桶っぷりが全面的に表現された、歪で不恰好な機能美。言ってしまえば
そんな当作品『86 -エイティシックス-』現在短編集のEp.10を含め合計10巻まで刊行されています。
原作小説からでも、アニメから入ってもどっちでも良いと思います。あーでも、原作から入るなら第1巻を読了した時点で一度アニメ観といた方がいいかもですね。アニメの出来、個人的にはかなり良いと思っています。2021年春アニメの最高峰じゃないだろうか?🤔
いよいよクライマックスに入ろうとする原作も、間もなく第1クール終盤に入るはずのアニメも、今後が楽しみでなりません。
……といったところで、今日はこの辺で。私はこれから原作読み返し3回目に入ろうと思います。では、おやすみなさい👋