euvicc's sphere cycloalkanique

自転車とMETALとその他雑多な物欲記録。そして大病から生還し生き残り続ける奇跡の徒然など。

何故か四十手前にして自転車趣味に目覚めてしまったある男の記録...のようなもの。

ライドの記録、買い物記録、超私的レビューみたいな駄文を書き連ねます。

2021/10、急性大動脈解離(Stanford-A型)から奇跡の生還。

以降は予後のこととかも書いたりすると思います。

【本】続刊を入手したのでそんなお話。

Euviccです。今日は本のお話。なお全て電子版(honto)です。Amazonのリンク載せてるけどAmazonでは買ってませんw


86 -エイティシックス- ep.11 ディエス・パシオニス

2/10(木)、待ち望んでいた最新刊がリリースされました。





エピソード11「ディエス・パシオニス」……直訳がどうなるかはわからないのですが物語的には「受難の日」と訳すべきなのでしょうかね。〈レギオン〉のとんでもない(丶丶丶丶丶丶)戦法による反転大攻勢の結果それまでの戦況をひっくり返されて苦境に立たされたギアーデ連邦軍とエイティシックスたち、そして周辺各国。そんな状況下で彼らに下された「サンマグノリア共和国救援部隊の撤退支援および共和国"全"国民避難の護衛」という過酷すぎる任務が描かれます。



タイトルが「誰」の受難なのか?はさすがにネタバレなので書けませんが、話の流れと舞台の凄惨さはかなりパンチが利いて(丶丶丶丶丶丶丶)ます。なかなかにエグい。ただ……一度読んで、さらにもう一回読み返しての私の個人的な感想は「話の大筋にはあまり関係しないのでは? なんか閑話みたいに思える」だったり😓 いやいや、作者氏のことですからしっかりと後の話に続く伏線を埋め込んできているわけですが、にしても「こんな話にしなくても良かったのでは?」とか感じます。なんていうか──そう引き延ばされたように思えてなりません。



ただ、ギアーデ連邦軍の指揮官リヒャルト・アルトナー少将の言葉──最後の命令──にはちょっと泣けました。カッコ良すぎだろ眼帯オヤジ(カナブン)!!😭


機龍警察シリーズ

この作品について言及したのは2020年の↓のことなのでだいぶ間があいてしまいましたが。





この時は『自爆条項』まで一気に読み切りました。しかしその次の話





こちらがなかなか読み進まなくてですね💧 上巻の半ば、警視庁"特捜部"の"突入要員"である3人の傭兵(丶丶)たちが一人、ユーリ・オズノフの過去を描いているくだりでちょっとダレ(丶丶)ちゃいまして、読むのを止めてしまっていた次第です。ユーリの運命が急転直下動きだす直前でやめちゃってたんですね。迂闊でした。今回、あらためて『機龍警察』つまり第1巻から読み直して同じ場所まで到達……今度は一気に下巻ラストまで読み進み最後のどんでん返し&怒濤の戦闘シーン(ドンパチ)まで読み切って、その流れでえいやっと続刊を入手であります。



この作品はジャンル的には「SFミステリー」であり、現代社会から(架空の)ほんのちょっぴり未来、人型の二足歩行機械兵器「機甲兵装」が存在する世界を描いています。そんな機甲兵装の、従来の設計思想/操縦方法とは全く異なる謎多き最新鋭機龍機兵(ドラグーン)。この龍機兵と、パイロットとして警視庁に雇われた元傭兵3人を軸に、何故そんな機体が警視庁に存在するのか?も不明のまま龍機兵を運用するため警視庁内に新設された「特捜部」のメンバーたちが内外のあらゆる組織と戦いを繰り広げる物語です。機甲兵装同士のドンパチはもちろんですが、犯罪組織への潜入、駆け引き、舌戦そして手の読み合い。同じ警察組織である警視庁公安部警備課や外事課、刑事部の捜査一課や二課とも水面下で暗躍暗闘します。スケールがデカくてそれでいておどろおどろしい😨



龍機兵に搭乗する「突入要員」の3人は

1号機"フィアボルグ"
生粋の傭兵で経験豊富な戦争のプロフェッショナル"姿俊之"
30代前半に見える外見だが髪だけはほぼ白髪。
2号機"バーゲスト"
元モスクワ民警。裏切られて警察を逐われ裏社会を転々としていた"ユーリ・オズノフ"
アイス・ブルーの瞳に金髪の、もちろんロシア人。
3号機"バンシー"
作中でアイルランド過激派組織とされる"IRF"の元凄腕処刑人"ライザ・ラードナー"
くすんで砂色に褪せてしまったブロンドの、陰鬱な貌の美女。


というケレン味たっぷりの設定。そんな彼らを率いる特捜部の長は外務省から出向してきた切れ者──いやくせもの(丶丶丶丶)の沖津旬一郎(階級は警視長)。剛腕といってもよい手法で、政治がらみで簡単に手を出せないような捜査事案に対して真正面から──それが阻止されれば搦手で──切り込んでいき、ありとあらゆる手で事件を解決にもっていきます。他の捜査員メンバーも沖津が警視庁のあちこちから引き抜いてきた腕利き揃い。同じ警視庁の同僚たちに「裏切者」と面罵され排斥されても怯まず巨悪に挑んでゆく……『機龍警察』はそんな「警視庁特捜部」に属する者たちの群像劇というわけです。



疎外/排斥されながらも地道に果敢に立ち向かい最後には敵を討ち取る(≒逮捕する)というのは、私の大好きな『新宿鮫』シリーズに似ている感じがします。ですが『鮫』の主人公鮫島警部は新宿署生活安全課(旧防犯課)であり、その舞台設定的に新宿という街の世相風俗とそこに蠢く悪党共に対して孤独な戦いを挑んでいるのに対して、こちら『機龍警察』では相手が最初から武器密輸団だったりテロ組織だったり、描かれるのも個人の動きというより組織の動きや綱引きが多かったりと、スケールがだいぶ違います。大規模な破壊活動/戦闘/テロ行為の描写が多い分人もたくさん死にますし💧 って『機龍警察』はSFで『鮫』はあくまで現代の警察小説(フィクションではあるけど)なので比べるようなもんじゃあないですけどね。そういう意味では、どっちかっつうと『攻殻機動隊』とかと対比するべきだったかな? 機甲兵装とかについては月並みですがやっぱり『機動警察パトレイバー』でしょうかねえ😁 パトレイバーの特車二課は城南島の埋立地にありましたが、こちらの警視庁特捜部は本拠地が新木場です。現実世界でも新木場には警視庁の術科センターや第7方面本部合同庁舎があるそう*1なので、その辺はリアル寄りな設定にしたって感じかな?



うう……こういう説明っていうか紹介? 実は超絶苦手なんですよ😩 無理。もう限界。ということでさっさと今回入手した続刊の話に進みましょう💦


機龍警察 未亡旅団

今度の敵はチェチェン。女性だけで構成されるテロリスト集団「黒い未亡人」──だけではなく、国内の対立勢力〈敵〉との"暗闘"も苛烈さを増していきます。年端もゆかぬ少女たちを平然と自爆テロの道具として使うテロリスト集団を、どうやって見つけ出し、そして制圧/逮捕するのか。特捜部メンバーの一人、捜査班主任の由起谷警部補の活躍が光ります。





『暗黒市場』までは文庫版として加筆修正された「完全版」(の電子版)でしたが、続刊のこちらはまだ文庫化されていないようでした。こちらももしかして「完全版」出し直すのかな?🤔 出たら買い直すか……うーん💧


機龍警察 火宅



短篇集です。何故かこっちは文庫版が出てます(ゆえに私も安い文庫版の電子版を購入😅)。時系列的には第1巻〜3巻までの間、あるいはその前日譚として特捜部のメンバーたちのちょっとした(丶丶丶丶丶丶)話が合計8篇掲載されています。宮近理事官のお話「勤行」が個人的には好きです。次点で鈴石緑技術主任を中心とした話「化生」あたりかな。


機龍警察 狼眼殺手



警察小説には必ずこういうパターン(丶丶丶丶)を出すのがお約束になっているのでしょうか?w 少しネタバレになっちゃいますがタイトルに出てくる"狼眼殺手"とは本編に出てくる殺し屋の"通り名"です。中国語で殺し屋ってなるとどうしても『毒猿 新宿鮫Ⅱ』を思い出しちゃいます。『鮫』の方では台湾海兵隊出身の職業凶手(シィーイェーションショウ)(プロの殺し屋)である劉鎮生(リゥ ツェンシェン)、通称"毒猿(ドゥユァン)"が登場しラストに鮫島と対決するわけですが、こちらはこちらでこの狼眼殺手と呼ばれる殺し屋がラストに特捜部のメンバーの一人と死闘を演じます。はたして狼眼殺手の正体は何者か? 事件の真の黒幕を検挙することはできるのか??


機龍警察 白骨街道



「上」から下された、特捜部突入班の3人をあからさまに殺すつもり(丶丶丶丶丶)の任務。沖津部長は苦渋の決断で命令通り3人をミャンマーの民族紛争地域に向かわせます。舞台は日本の霞ヶ関、新木場、そして京都と、ミャンマーのジャングルとに目まぐるしく交互に切り替わる。姿、オズノフ、ラードナーの3人は果たして無事に任務を果たしてミャンマーを脱出できるのか? そしてとある事情で休暇となった、部長の右腕城木警視が帰省先の京都で摑む真実と、それが招く驚愕の結末は!?




一昨年に読んだ時はそこまで面白みを感じなかった、ていうか一歩引いて醒めた眼で作品を見ていた気がしますが、今回はかなりグイグイ引き込まれてしまいあっという間に最新巻『白骨街道』まで読み終えてしまいました。機甲兵装同士のバトル描写も面白いけど、自分にとっては警察官僚同士が丁々発止とやり合う水面下の暗闘こそがこの作品の面白さかな〜って思ってます。『鮫』でも感じましたが、警察独特の隠語/符牒を使った会話、あるいは舌戦の生々しさ。そこが良い。



次巻あたりではいよいよ沖津部長が言うところの〈敵〉と直接対決があるのでしょうか? かなり楽しみです。……ふむ、また生き延びる理由が増えたぞ😎



「こんな本買ったよ」程度にさらっと済ませるつもりが、想定以上に詳細な──あるいは濃ゆい?──紹介になってしまった気がします。ふむ、慣れないことはするもんじゃないなあ(苦笑) 今日はこの辺にしとこうと思います。では、おやすみなさい😴

*1:新木場+警察でググりましたw