euvicc's sphere cycloalkanique

自転車とMETALとその他雑多な物欲記録。そして大病から生還し生き残り続ける奇跡の徒然など。

何故か四十手前にして自転車趣味に目覚めてしまったある男の記録...のようなもの。

ライドの記録、買い物記録、超私的レビューみたいな駄文を書き連ねます。

2021/10、急性大動脈解離(Stanford-A型)から奇跡の生還。

以降は予後のこととかも書いたりすると思います。

【本】デューン 砂の惑星〈新訳版〉

Euviccです。



つい最近(去年か)2度目の映画化がされたばかりなので名前をご存知の方もまあまあ多いでしょう。古典SF『DUNE(デューン) 砂の惑星』に手を出してみました。





子供の頃から名前だけは知っていました。作品世界で最も重要/貴重な物質といわれる香料(スパイス)の"メランジ"を唯一産するのが舞台となる惑星デューン。この星の支配権を巡る争いとともに、主人公ポール・アトレイデスが救世主として覚醒していく様が描かれる壮大な物語です。


映画について

「映画化は不可能」と言われ続けていたらしいこの作品ですが、冒頭にも書いたように今回を含めて2回*1映画化されています。初回のはこちら。





CATVで流れた時に観てみたのですが、特段の感想は抱きませんでした。まだ原作を読んでなかったから、でしょうね恐らく。しかしまあ、世間の評判はあまりよろしくなかったようで。ハルコンネン男爵家の連中のおどろおどろしさ?だけがやけに印象に残っています😅



さてそれが30年以上も経った2021年にもなって再び映画化・公開されたというのには驚きました。





で、これが先月の下旬あたりからNetflixで観られるようになったため、観るより先に原作を読んでおきたくなった……そういう経緯だったのです。


どんなお話か(注:若干ネタバレあり)

原作がハヤカワ文庫SFから刊行されていることは知っていましたが、今回読んでみようと思い立った際、従来のものとは別に「新訳版」が出ているのを知りました。昨年の映画化にあわせてだしたのでしょうね。今回読んでいるのはこの新訳版の方なので以降の内容はそっちに基づいています。旧の方はわかんないですw



はるか未来、人類社会は皇帝を頂点とする広大な銀河帝国を築き上げていました。領家と呼ばれる貴族たちが領土内の個々の惑星を所有・支配しています。コンピューター、特にAIみたいなものは存在せず*2、特別な教育を受けた演算能力者(メンタート)と呼ばれる人々が情報の分析だったり予測だったり、まあ要は高度に数学的(丶丶丶丶丶丶)な物事を受け持つようになっている、そんな社会です。



さて、大領家──つまり大貴族──のひとつであるアトレイデス公爵家は、皇帝からの勅命によりそれまでの領土である惑星カラダンを離れ、先述した高価な香料(メランジ)を唯一産する惑星アラキスに移封されます。主人公ポール・アトレイデスの父レト・アトレイデス公爵は一族郎党を引き連れてアラキスに移住するわけですが……アラキスに到着して間もなく、アトレイデス公爵家以前にこの惑星の領主だったハルコンネン男爵家に襲撃されてしまいます。レト公爵は家臣の裏切りによって殺され、息子のポールとその母ジェシカは辛うじて難を逃れるものの、生身なら2時間とは生きられぬといわれる広大かつ過酷な砂漠に放り出されてしまいます。……ここまでが上巻のお話。



中巻では、策謀をめぐらせるハルコンネン男爵の話をはさみつつ、ポールとジェシカが砂漠の遊牧民族*3フレメンに拾われ、彼らの一族として受け入れられるまで及びポールがその仕組まれた出生の秘密と"メランジ"の力により惑星アラキスの救世主"ムアッディブ"として急速に覚醒していきます。未来を予知するが、ともすれば大戦争となって破滅しかねない未来を必死に防ごうとするポール、しかし英雄/救世主として祭り上げられ、事態はどんどん深刻化の一途を辿る……。



下巻ではついに、ポールとフレメンたちvsハルコンネン家+皇帝+航宙ギルド連合軍との決戦がはじまります。アラキス衛星軌道上に展開するされた何千何万もの艦船、突入降下してくる皇帝直属部隊、アラキスの「地の利」──何者も対峙できない超巨大な砂嵐をもって立ち向かうポールたち……勝者はどちらか? そして砂の惑星アラキスの運命は……!?



みたいな感じでしょうか。うん、やっぱり私、書籍の紹介はヘタクソですね😅 程良いあらすじ(丶丶丶丶)を書くのって難しい😔


雑感(感想っていうほどのことでもなく)

まず思ったのが、メランジって香料だのスパイスだのいうてるけど単なる危険なドラッグやん!ということでしたw どう考えてもアブナいやつやんなぁコレ? 精神がどうにかこうにかなって? あと習慣性があって? 控えめにいっても麻薬以外の何物でもないですよね。しかしこの世界ではこのメランジを摂取して感覚を拡張?しないと超空間航法とかそういうのができないらしい。コンピューターが存在しないからこその独特の世界観ですよね。



あと、惑星アラキスの原住民族であるフレメン。彼らの習慣だとか精神構造?がすごくアラビア的だなあってのを感じました。てゆうか使われてる言葉が普通にアラビア語みたいだし。この物語が書かれた当時はアラブの文化とか思想ってそんなにメジャーじゃなかったのでしょう。少なくとも2022年と比べたら。恐らく当時はすごく異質で、神秘的なものとして描かれ、読者にもそう受け取られたんじゃないかなあって思えた次第です。今となってはその辺に対してどちらかというとしっくり(丶丶丶丶)こない感じが強いですが。ヒジャブとかシャイターンとかラマダーンとか、アラビア文化にあまり慣れ親しんでいない私とかでも知ってる言葉が異星の文化として出てきてしまう方に寧ろ違和感を感じてしまうのですね。もうちょっとぼやかすというか……オリジナル?の言葉や設定にしてほしかった。なんとなくムズムズするんですよ(苦笑) でもまあ仕方ないよね。著者フランク・ハーバートが本作をリリースしたのは1965年ですもの。今から50年以上も前。うん、しょうがないしょうがない😁



巨大な兵器による大規模な戦闘とかそういう描写はこの作品には少ないです。てゆうかほとんどない。どちらかといえば超能力だとか精神だとか文化だとか、そっちの話ばかりです。その辺は作風ですので読み手に合うか合わないかだけだと思います。私はというと……そうですね、読んでて疲れました😅 特に上巻を読み進めるのにだいぶ苦労した気がします。中、下はけっこう一気に読み進められたのですけどね。



デューン』はこの後も続編が出ているのですが、このまま読み進めるかどうかは自分の中ではちょっと微妙です。たぶん手は出さないんじゃないかなー。とりあえず2021年版映画だけは、ネトフリが見放題のラインナップに入れてるうちにさっさと観ておこうかと。てゆうかそもそもそれこそが目的なのでしたw




さて、今日はコレぐらいにしておこうと思います。おやすみなさい👋

*1:Wikipediaの記事を読む限りだと映像化の試みはもっと多いらしい

*2:作中で若干言及があるが、ある時期を境にここでの人類は知性を持つような高度なコンピューターを使わない文化に切り替わった模様

*3:本当の遊牧民族というわけではないですがざっくりと「似た感じ」なので